五十里(いかり)ダムを紹介します。
川治温泉のもっとも山奥に位置。
川治温泉から湯西川温泉方面へ行く途中の、国道121号沿いにあるので、場所はわかりやすいです。
個人的なポイントは
- 五十里湖とセットで四季の美しさを楽しむ
- 改造ポイントを学ぶ
- イベントも増えてきた(試験放流、見学ツアー)
4ダム(鬼怒川上流の国のダム四天王)ではもっとも年上なんですよ。
5くりでは地元っぽく、ダム好きでなくても楽しめるポイントや個人的な思い出なども紹介します。
ダムのマニアな説明は、公式サイトやダムマニア&ダム愛好家の方たちにまかせますね
五十里ダム データ
見どころ 〜五十里ダムの楽しみ方〜
楽しみ方を3つに分けて整理しました。
- ふつーに見る
- 見学ツアーに参加
- 特別放流を見る
順番に見ていきましょう。
楽しみ方① ふつーに行く
地図のとおり、2つのエリアにわかれていて、駐車スペースもそれぞれあります。
- 青枠 五十里ダム管理支所 側。天端(てんば、ダムの上の歩けるところ)へ行ける
- 黄色枠 見晴台 側
それぞれのエリアは国道ぞいのトンネル(地図の森になっているところ)を通って徒歩で移動OK。
ダム管理事務所側には、ダム資料館やトイレあり。
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ダム資料館入り口
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ダム資料館の中
天端まで降りられます。
ここ数年で平日でも見学する方が見られるようになりました。
もうひとつが下流側の見晴台です。
こんな感じで見ることができます。
ぜひ両方みてほしいですね。
新緑の頃(5月中旬〜)
五十里ダムの完成によってできた五十里湖にも注目です。
ドライブ中はよそ見しないよう注意です。
紅葉(10月中旬〜)
見晴台からみた秋の五十里ダム。
11月上旬頃まで紅葉を楽しめます。
晩秋の五十里ダム
冬(12月〜)
冬はずっと人が減りますが、ダムは逃げも隠れもしません。
雪が降ったときはレアな景色が見られますよ。
夜はこんな感じ。
五十里湖のほうはというと・・・
いかがでしょうか。
楽しみ方②「ダム見学ツアー」なら短時間で楽しく学べる
見学タウーならふだんは入れない場所に行けまして、それだけで参加する価値がアリです。
川治ダム とあわせて楽しめます。
ダンジョンみたいな
点検用の通路ををはじめ改造中の五十里ダムの様子が見られるのもポイント。
工事の場所は毎回変わるので、見学場所も毎回変わるのがおもしろいです。
2時間くらいのツアーの中で、五十里ダム含むダムの魅力が凝縮されているので「ダム初心者です」な方にもオススメです。
ダムカードもGETできますよ。
五十里ダムカード(ツアー限定バージョン) ※写真は川治ダム
ダムツアーはネイチャープラネットさんで実施(2019年は4〜6月に開催)
日光/那須のアウトドア体験ツアーならネイチャープラネットNature Planet
2018年 冬のダム見学
こんな感じでした。
毎年おなじ工事はしないので、見えるものも違います。
楽しみ方③ 大迫力!ダム放流(年に数回実施)
放流するために開く門は、そのときによって変わります。
クレストゲート(いちばん上にあるヤツ)か、
コンジットゲート(クレストの下)のどちらかになります。
まずはクレスト放流。
五十里ダム展望台から見ると・・・
ダム天端までいくと・・・
天端から真下にあるクレストゲートをのぞき込むと・・・
放流時間は毎回20分前後です。
さまざまな場所から見ようとすると移動もあってけっこう忙しいです。
「最初は天端→最後に見晴台」みたいにざっくり計画をたてるとよいです。
いまのところ五十里ダムの放流は平日開催がほとんど(例外は年1回のダム見学くらい)ですが、機会があればぜひ見てほしいです。
そしていまだに信じられませんが無料です。
あと2019年の時点ではまだちゃんと一般公開していないと思いますが、コンジットゲートからの放流もものすごい。
なにがすごいかって、まず、近くにいくと水がぶっかかるほどの勢いです。
ヘルメット装着であまたは半ぬれで済みますが、カメラや服は余裕でぬれます。
ぬれるのがイヤな人はちょっと離れた安全地帯から見るしかないです。
川が暴れています。
五十里ダムコンジット放流レインボー
あまりにもすごい威力なので、地域の方たちには放流のことを事前に告知するそうです。
さらに放流直前にもあらためて警報を出していました。
環境放流見学の様子が動画になりました
ダムの中の人からいただいた情報。
わかりやすい解説付き。
五十里ダム 豆知識
名前の由来
諸説あるようですが、東京(当時の江戸)から50里(約200km)に位置したっていうのをもっともよく聞きます。
川治ダムとつながっている
五十里ダム内部
五十里ダムは川治ダムと水路トンネル(約1km、直径3m)でつながっていて、安定的に水を流すようにしています。
全国初のシステムです(2007年3月より運用)。
完成当時は日本一高いダム
五十里ダムができるまでざっくり物語
- 1683年(江戸時代)に起こった大地震で、栗山郷西川地区の葛老山(かつろうやま)が崩壊し、男鹿川をせきとめ、湖ができた。→五十里湖の出現!
- その後大規模な水抜き工事をしたが失敗。
責任者である武士 高木六左衛門は切腹する。葛老山の崩落地点近くの丘は腹切山(もとは布坂山)と呼ばれるように
- 五十里湖出現から40年後の1723年、大雨により大洪水が起こる。
すぐ下の川治村や藤原村(いまの川治温泉&鬼怒川温泉らへん)は壊滅的打撃を受ける
- 1956年 五十里ダムの完成。
展望台にある岩みたいなのは、ダムをくりぬいたパーツ
「
選択取水設備」や「
利水放流設備」を作る際にダムをくりぬきました。
選択取水設備って何?
いままでは水を取り込む口は固定で、動かせませんでした。
それだと温度が適していなかったり、汚れた水でも取り込むことになり、ダム下流域の環境にはやさしくなかったのです。
それでこの設備によって、
水を取り込む場所を選択できるようになりました。やったね!
参考
平成30年度 鬼怒川ダム統合管理事務所 事業の概要
2017年に工事前に水をぬいたときの様子
湖の底が見えてきました。
ニュースなどで話題になりました。
五十里ダムと5くりの思い出
2015年 |
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2017年 |
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2018年 |
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2019年 |
- 五十里ダム点検放流(4月)
見学者 約150名
- ネイチャープラネットさんによる川治温泉3ダム見学ツアー好評
- ダムの管理室やコンジット放流を見せてもらう(6月)
- ダム作戦会議でいろんな関係者が集まり意見交換(6月)
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お役立ち情報
周辺ポイント
関連アイテム
ダムマニアの宮島さん著の最新版。
電子版で買いまして、やっぱりわかりやすかったです。
参考記事
五十里ダム施設改良本体工事 月報KAJIMAダイジェスト
栃木県/激動とともに生きる 五十里