村を守る男たちのドラマ「けもの料理」

栗山の人は言います。「昔は狩りをしなければ、生活できなかった」。熊さんや鹿さんは、貴重なタンパク源であり、収入源だったのです。今は栗山の名物料理として食べられています。 <目次> けもの料理を知る
  1. けもの料理はいつ頃から食べていたのか?
  2. ある日の鹿祭の誘い
  3. どこで食べれるの?
1. けもの料理はいつ頃から食べていたのか? 縄文時代くらいの大昔です。栗山は町から遠く離れた山の中にあります。昔から、畑仕事に加え、魚やけものを捕る狩りをしなければ生きることができませんでした。熊さんや鹿さんと戦わなければ自分が飢え死にしてしまうのです。 熊さんや鹿さんは、食べ物が少なかった時代から貴重なタンパク源(生命活動を支える大事な物質)でした。捕ったものを売ることで、畑仕事よりもはるかに高収入を得られたそうです。 ただし、狩りのシーズンは限られているし、野宿しながら何日間も獲物が捕れなかったり、決して楽な仕事ではなかったとのこと。また栗山には、かつて熊さんをすでで倒した男の伝説があり、今も語り継がれています。 2. ある日の鹿祭の誘い ある休日の午後、1本の電話がきました。「鹿がとれた。今日は祭だ。これるか?」1時間後現場にかけつけると、鹿さんを採り、解体して食事の準備をはじめようとしている男たちの姿がありました。 「ここは肩だ」「こっちは背だ」と、鹿さんの部位を熟知している猟師たち。解体も手慣れた様子です。 焼き肉用や刺身用に切り分けています。祭で食べる以外は、猟のチームで均等に分け合うそうです。 この日のメイン料理。鹿肉とキャベツを焼いて食べます。味付けは塩こしょうのみ。男料理はワイルドでうまい。その他にもお酒やイワナのくんせいや果物など、男たちの差し入れを食べました。 祭は深夜まで続きました。誰が(猟で)失敗したとか笑い話もあれば、「猟は命をかけた真剣勝負だ」という真剣なお話も。鹿さんのツノは釣り具やコートのボタンなどになるらしく、売店に売ることもあるそうです。全てがはじめての体験で、いろんな意味でショックが多い祭でした。 翌日は仕事の人がほとんどでしたが、男たちはへっちゃらのようです。普段はサラリーマンなどしていて、休日になるとハンター。このギャップに男のかっこよさを感じました。 3. 一般の人はどこで食べれるの? 旅館や民宿で、鍋や刺身などとして食べられるところがあります。冬眠前の熊さんは栄養をたっぷりつけていて脂が多く、おいしかったです。また売店などでは熊さんや鹿さんの肉の串焼きなども売っています。 貴重なけものは高価です。例えば熊さんは1キロ=1万円くらいものもあります。料理にはそれなりの準備が必要ですので、食べたい人は、旅館や民宿へ事前に確認してくださいね。
けもの料理 5秒コメント 男たちのドラマを知って、けもの料理を食べる これまた格別の味なり