「栗そば会」の紹介 栗山そばの復活へむけて、みんなで楽しく

140716 kurisoba 11 栗山そばを知っていますか?今、幻になりつつある栗山そばを復活させようという取り組みが動いています。今年5月に発足した栗山そば復活プロジェクトこと、「栗そば会」について紹介します。

1.栗そば会の物語は、昨年の夏の頃にスタート

140716 kurisoba 15 標高600m以上の寒冷地である栗山は米がとれず、昔からそばの栽培が盛んでした。年配の方はだいたいそば打ちも名人です。 できたそばはどうだったか。昼と夜の気温差が大きく… 風味やコシの良さがめっちゃ評判! …しかし現在は、
  • 高齢化により作り手が減る
  • 猿や鹿などの被害が増える→作ろうとがんばる気持ちが減る→高齢者の生きがいも減る
  • 作る人が減ると畑はさらに荒れてしまう→畑をおこす気持ちが減る
などなどの問題が重なり、栗山そばは幻になりつつありました。 対策も十分にできず…何もしなければなくなってしまう危機 でした。 140716 kurisoba 16 そんな状況をどうにしかしようと、1人の女性が立ち上がりました。地域おこし協力隊の土屋さん(通称つっちー、1番上の写真の左下)です。 地元の方や仲間たちを呼びかけ、復活にむけて動き出します。まずは研究。使われていなかった畑を2ヶ所約5.9アール(1アール=100㎡)を借り、地元のベテランの指導を受けながらそば作りのテストをはじめます。 140716 kurisoba 17 約半年かけてがんばった結果、9月下旬〜10月上旬にかけて約28キロ収穫。 そば屋さんにおろすには少ない収穫量ですが、これは今までだれも対策できていなかったこと。ゼロからのスタートだった上に、台風や大雨による被害、キジの獣害などの苦労があった中で、なかなかの成果だと思います。

2.お世話になった方へそばのお礼 栗山そば感謝祭

140716 kurisoba 12 去年12月には感謝祭を行いました。完成した栗山そばをみんなで味わおうと、「そば処ひなた」 さんを貸し切っての、1日限定のオープンでした。そばの量に限りがあるので完全招待制でしたが、地元新聞社さんにも取材にきていただきました。 感謝祭には、畑やそばのことを教えてくれた地元の先生や、近所でそば店を営業する方、行政関係の方など、合計70名以上の方たちにきていただき、栗山そばやそば粉を使ったスイーツなどを楽しみました。 140716 kurisoba 13 これが100%の栗山そば 140716 kurisoba 01 味は好評。「香りが違う」という声が多く聞こえました。 中には涙を流す方も。もう食べられないと思っていたそばを味わい、喜びやなつかしさを感じたのでしょうか。 おいしさはもちろん、心のあたたまる感謝祭になりました

3.今年はさらに本格的に活動

140716 kurisoba 05 で、今年です。 地元の先生たちの指導や、行政の方から補助金制度などのサポートを受けつつ、つっちーさんはみんなが楽しくそば作りできる仕組みを考えました。 そうしてできたのが栗山そば復活プロジェクト、「栗そば会」です。メインのメンバーは現在12名。今年は5ヶ所18アール、去年の約3倍の規模の畑でチャレンジします。 140716 kurisoba 07 栗そば会議の様子。みなさん「もう歳だから大変」とはいうものの、どこか楽しそう。「無事にそばができたら旅行に行こう」とか、話ははずみます。 将来的にはそば屋さんで観光客に食べてもらうなどの目標もありますが、会の様子を見ていて… まずはみんなが楽しくできればそれが1番!と改めて感じました。 140716 kurisoba 18 栗そば会にはそばの達人が多いとはいえ、ふだんは住んでいる地域も別々で、共同でそば作りをしたことはありません。やり方や考え方の違いが当然あり、その調整も不可欠です。 はじめての取り組みには何かと苦労も多いはずですが、つっちーさんはがんばり、毎日のように元気に畑を見てまわっています。 つっちーさん「夏の作業が一息ついたら、ちょっとした打ち上げを考えています。雨が多く予定が組みにくい日が続きますが、楽しいプロジェクトになるようがんばります」 これからも活動を追っていきます。 <栗山そば新聞 1号> 140716_kurisoba_19