本家の
上臈参拝(じょうろうさんぱい)は、思わず息をのむほど、あでやかでした。
湯西川温泉「平家大祭2014」は、
平家絵巻行列(名物の武者行列)などが雨のため中止となりましたが、例年以上に優雅に開催されました。
1.「平家大祭 前夜祭」は琵琶演奏&着付舞い
通常は野外ライブですが、雨のため湯西川支所内で開催。悪天候でお客さんがきてくれるか心配しましたが、結果、夜8時には会場に入りきれないほどに。30年続く平家大祭に対する強い期待を感じました。
平桜子(たいらのさくらこ)さんによる琵琶演奏
おなじみの琵琶演奏。雰囲気を動画でちょっとだけ紹介します。
曲にあわせて着付けを完成させる「着付舞い」
こちらも超定番。地元の小学生2人組による着付舞いです。毎年上手になり、それを楽しみにしているお客さんも多いです。
先日の
下野新聞「温泉自慢」にも登場した
湯西川温泉 湯西川館「伴弘美さん」。
ラストは3人で決めのポーズです。
2.「平家大祭」雨の中スタート
前夜祭に続き、雨。会場の観光施設「
平家の里」では、開始前からテントに入れきれないほどの人たちが見守ります。
はじまりました。
蘭陵王(らんりょうおう)の舞。ゆっくりと気品ある動きに、力強さを感じます。
中国 北斉(ほくせい、550-577)時代の名将「蘭陵王」は、すんごい美しい容姿で知られていました。で、戦いに行くときに敵におちょくられないよう恐い仮面をかぶったことが、この舞に由来しているのだそうです。女性が演じる場合は、写真のように素顔で舞うこともあるようです。
前日好評だった平桜子さんの琵琶演奏も、イメチェンして再び。
3.第30回 平家大祭のメインは「上臈参拝」
華やかな十二単衣(じゅうにひとえ)を着た
太夫(たゆう、写真左)が登場。
そもそも、
上臈参拝(じょうろうさんぱい)とは何でしょうか。
1185年「
壇ノ浦(だんのうら)の戦い(山口県下関)」で、平家が滅んだ後のことです。生きのびた上臈(身分の高い女性や遊女)が、8歳で亡くなった安徳天皇の命日にお墓参り(参拝)したことがはじまりです。平家大祭で毎年行われる上臈参拝は、その様子を再現したものなのです。
とく今年は、30周年ということで、10年に1度のスペシャル。毎年5月2日、安徳天皇の命日に行われる下関 赤間神宮の「先帝祭」。この時に行われる上臈参拝が、湯西川温泉へ“出張“しました。
平家の里には湯西川赤間神宮があり、これは全国で唯一、本家から分祀(ぶんし、同じ神を別の新しい神社にまつる)されたもの。こんなスペシャルが実現できるのも、湯西川だからなのです。
安徳天皇へ祈りをささげる2人の太夫。
その後も、美しい舞や踊りは続き、お客さんを魅了しました。
来場者は、一日中雨だったにもかかわらず、
イベント全体で約2,000人。
30回目の節目ということで…
雨でも例年以上に美しく、記憶に残る平家大祭になりました。