栗山を語る上で、決してかかすことのできない伝統「獅子舞」。どうして栗山は獅子舞王国と呼ばれているのでしょうか。
「獅子舞」ってそもそもなんなの?
獅子の姿をして舞う民俗芸能です。民俗芸能とは、えらい人でなく一般の人に伝わり演じられている風習ですね。全国各地で、正月や祭など主にめでたい時に行われます。
一説によると、獅子舞が最初に起こったのはインド地方だとか。インドで神さまとされたライオンから獅子舞が生まれ、それが、中国や東南アジアなどへ伝わり、日本にもやってきたとういうわけです。
目的は地域によって様々ですが、主に願いごとをしたり、感謝をするため。例えば、
・五穀豊穣(ごこくほうじょう) → 穀物が豊かに実る
・厄除け(やくよけ)→災難を取り払う、防ぐ
・無病息災(むびょうそくさい)→病気にかからないで無事でいられる
などです。
獅子舞を奉納する対象も様々。神社もあり、お寺もあり、各家々や人(区長など)もあります。
一言でいってしまえば、獅子舞は
「人々の幸せのため」に舞われている
といえます。
栗山はどうして獅子舞王国なのか?
資料「おらが栗山この百年」、(9つの村が合併し)栗山村ができてから100周年の記念誌を読みました。約20年前は、栗山全体の獅子舞の上演回数は1年間で83回!にものぼったそうです。
高齢化によりその数は年々減っていますが、今でも全9地区!で行われています(湯西川上・湯西川下・日向・日蔭・土呂部・黒部・上栗山・野門・川俣)。
しかもすべて市の「無形民俗文化財」に指定されています。山奥の閉ざされた環境にあったからこそ、このような古い文化が今も残っているのでしょう。さらに。
「栃木県文化財保護審議会委員」であり、民俗学に詳しい柏村先生の資料を読みました。栃木県には約50余ヶ所の「1人立ち3匹獅子舞」(3人で3匹の獅子を演じる)が残っているとのこと(平成24年5月時点)。
だとすると、そのうち栗山は9ヶ所なので、なんと県内の約5分1。人口が少ない(日光市全体の2%以下)栗山ですが、かなりのボリュームです。獅子舞王国!
個性派ぞろい。絵で見る栗山の獅子舞
9地区の獅子舞は全て衣装や動きが異なり、それぞれ地域の色があります。獅子舞は実は全ての動作に意味があるのですが、意味が分からなくても見ているだけでいろいろと考えさせられます。
中学生たちが活躍したり(日蔭地区)。
すごいのが出てきたり(湯西川地区)。
とんでもないハイジャンプしたり(野門地区)。
乱入?があったり(日向地区)。
これはまだまだほんの一部です。1つの市の1エリアだけで、これほどバラエティ豊かな獅子舞が見られる地域は他にあるでしょうか?
栗山は北関東における、獅子舞王国なのです。
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